マイケル・ジャクソンは意外にも他の有名アーティストとコラボ作品を残しています。
『Bad』で共演予定だったプリンスや『In The Closet』で共演予定だったマドンナ、『I Just Can’t Stop Lovin’ You』で共演したかったホイットニー・ヒューストンなど、断られて実現しなかったコラボも多数ある中で、無事リリースまで至ったコラボも存在します。
今回はマイケル・ジャクソンの実際にリリースされた著名人とのコラボ作品を集めました。

知名度は低めの曲だけど、そうそうたるメンバーが揃ってるよ
ぜひご覧ください!
- フレディ・マーキュリー『There Must Be More To Life Than This』(2014)
- ミック・ジャガー『State of Shock』(1984)
- ポール・マッカートニー『The Girl Is Mine』『Say Say Say』『The Man』
- エディ・ヴァン・ヘイレン『Beat It』
- マイケル・ジョーダン『Jam』(1991)
- シェリル・クロウ『I Just Can’t Stop Lovin’ You』(Badワールド・ツアーにて)
- ダイアナ・ロス『Ease On Down The Road』(1975)
- スティービー・ワンダー『Just Good Friends』『Get It』
- E.T.『Someone In The Dark』
- 番外編:ディズニーランド
- まとめ:コラボっていいなあ!
フレディ・マーキュリー『There Must Be More To Life Than This』(2014)
(この動画はフレディのソロのもの。コラボ音源はYouTubeで検索してみてください!)
『There Must Be More To Life Than This』は伝説のロックバンド「クイーン」のボーカルであるフレディ・マーキュリーとのデュエットです。
この曲、実は録音自体は『スリラー』が世界を席巻していた1983年に行われたようですが、マイケルがスタジオにラマを連れてきたことにフレディが気分を害し、そのまま未完成になってしまいました。

スタジオにラマ連れてきたぐらい、許してくれてもいいのに…ん…?ラマ?
その後、フレディ・マーキュリーのソロ曲として、1985年のフレディのアルバム「Mr. Bad Guy」に収録されました。
2人のデュエットバージョンが正式にリリースされたのは2人の死後の2014年、クイーンのベスト・アルバムである「クイーンフォーエバー」に収録されたときです。
マイケルとフレディは仲が良かったようで、コラボもその仲から生まれました。
もともとマイケルはフレディのファンを公言していたし、クイーンの『Another One Bite The Dust』というはじめて全米No.1ヒットとなった曲を、「シングルカットすべきだ」とアドバイスしたのもマイケルだったと言われています。
音楽的にもお互いにインスパイアしあっていたのでしょう。
フレディとマイケルはそれぞれ単体で聴いても素晴らしいので、コラボによって特大な相乗効果が生まれているかと言われれば「うーむ」というところですが、歴史的に価値のあるデュエットであることに、間違いはないでしょう。
そして2人のコラボに選んだ曲が、とてもしっとりとしたメッセージソングという意外性があります。

2人の天使のような声を同時に聴けるとても贅沢な曲だよ

マイケルの女性のような繊細なボーカル、フレディののびのびとした圧倒的な声…

そして2人の声がハモると、鳥肌が…
2人が同じスタジオにいる姿を想像しながら聴くとウハウハします。
まだ聴いたことのない方はぜひ聴いてみてください!
ミック・ジャガー『State of Shock』(1984)
ジャクソンズのアルバム『Victory』に収録されている『State of Shock』は、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとマイケルジャクソンのデュエット曲です。

バックコーラスはジャクソンズだよ

ロックな曲調がかっこよすぎる!
スリラーで栄華を極めたマイケルが、まだこのときはジャクソンズの一員としても歌っているというのは少し不思議な感じがしますね。
実はこの曲、もともとフレディ・マーキュリーとのコラボ曲として書かれました。
『There Must Be More To Life Than This』のコラボをフレディのアルバムに、『State of Shock』のコラボを『スリラー』に入れる予定だったのだとか。
しかし、『There Must Be More To Life Than This』で書いたように、ラマのせいでうまくいかなくなってしまったのと、レコーディング自体はスリラー制作と並行して行っていたようなので、多忙な2人のスケジュールが合わなくなってしまったために頓挫してしまいました。

レコーディング自体は終えていたから、『State of Shock』のフレディバージョンは、YouTubeなどで音源が出回っているよ
『State of Shock』は全米No.3位を獲得するヒット曲となっています。
『スリラー』にフレディとの『State of Shock』も収録されていたら、『Beat It』と合わさってよりロック感の強い味わいのアルバムになっていたなあ、と思います。
ポール・マッカートニー『The Girl Is Mine』『Say Say Say』『The Man』
ビートルズのポール・マッカートニーとのデュエットは3曲あり
ちなみに、ポールはマイケルが歌ったらいいなと思って『Girlfriend』という曲を書き、それを知らないクインシー・ジョーンズがマイケルにぴったりだと持ってきたということもありました。
こちらは1979年のアルバム『Off The Wall』に収録されています。

マイケルはポールと個人的に仲がよく、コラボのときはポール宅に妻のリンダと一緒に滞在していたそうだよ
『Say Say Say』は個人的に結構好きな曲なのですが、なんてったってミュージック・ビデオがとても楽しい仕上がりになっています。
ポールとマイケルでいかさまをしながらお金稼ぎをしている様子が見られます。

マイケルが始終楽しそうでかわいいよ

田舎風の服装も似合ってるね
ポールの妻のリンダと、マイケルの姉のラトーヤもカメオ出演しています。
『Say Say Say』のビデオ撮影には後日談があって、このビデオの撮影の際にポール夫妻は「シカモア・バレー・ランチ」という土地に滞在しており、マイケルはそこを訪れた際にこの土地を購入したいと言ったそう。
そしてマイケルは1988年に有言実行し、その土地を「ネバーランド・ランチ」と名付けました。

「ネバーランド」は『Say Say Say』の撮影のときに出会った場所だったんだね
『Say Say Say』は全米No.1ヒットとなりました。
ポールのアルバムに収録されたもう一曲の『The Man』もシングル・カットされる計画がありましたが、ポールが大麻不法所持により逮捕されたことにより、ポール側の判断で中止になりました。
The Girl Is Mineについては、以下の記事でも解説していますのでご覧ください!
エディ・ヴァン・ヘイレン『Beat It』
マイケルのアルバム『スリラー』に収録されている『Beat It』の印象的なギターソロはエディ・ヴァンヘイレンのものです。
ビート・イットの音楽が徐々にフェードアウトする中で、突如現れるギターソロは、ビート・イットに無くてはならない存在で、ライブでもギタリストの腕の見せ所になっています。

ミュージックビデオだと、ギャングのボスが現れる重要なシーンで流れるよ

始まり方もラスボス感あって、妙にマッチしてるよね
もともとプロデューサーのクインシー・ジョーンズがエディに打診したようで、マイケルの曲でギターを弾いてくれないかと電話がかかってきた際に、エディはいたずら電話だと思って最初スルーしたそうです笑
そしてこの演奏に関して、エディはなんとお金をもらっていないそう。
「バンドメンバーやマネージャーや他の人からは、オレはとんだ馬鹿者だって言われたよ。でも彼らに利用されたわけじゃない。自分でわかっていてやったんだ。オレはやりたくないこと以外はやらない主義だ」
また、エディのソロが入る前に「ドン、ドン、ドン」とドアをノックするような音が聞こえますが、これはマイケルがドラムのケースを叩いている音だそうです(エディ関係ないんかーい)。
マイケルが「ロックの曲」として作曲し、小さな子どもから大学生までの幅広い子供たちに特に楽しんでもらいたくて作ったという「Beat It」。

確かに歌詞も少し教育的というか、ロックでありながら退廃的な雰囲気はないね

どちらかといえば「無理してタフにならなくていいんだよ」といった内容だね
そういうところもマイケルらしい曲ですね。
マイケル・ジョーダン『Jam』(1991)
『Jam』は1991年のアルバム『Dangerous』に収録されている4番目のシングル曲です。
『Jam』のミュージックビデオで、バスケットボール界のレジェンド、マイケル・ジョーダンと共演しています。

MJとMJだね
マイケル・ジャクソンがバスケットボールを教えてもらい、マイケル・ジョーダンがダンスを教えてもらうという内容。
手取り足取り教えているのがかわいい。最後にはムーンウォークも教えています。

マイケル・ジョーダンの横にいるマイケル・ジャクソンが小人のようにみえるのもおもしろいよね

ミュージックビデオの中でマイケル・ジョーダンもびっくりなマイケル・ジャクソンのスーパーゴールも必見だよ
また、この曲は1992年から1993年にかけて行われた「デンジャラス・ワールド・ツアー」のオープニング曲ともなっており、マイケルが登場から2分もの間全く動かない演出から、マイケルのキューで始まる曲としても有名です。
マイケル・ジャクソンとマイケル・ジョーダンはプライベートで親交があったわけではなさそうですが、マイケル・ジャクソンがインタビュー取材の中で子供と遊びながら「僕は水風船界のマイケル・ジョーダンだ!」と言っている場面があります。

そこはマイケル・ジャクソンでいいやん
そんなところもかわいいマイケルでした。
シェリル・クロウ『I Just Can’t Stop Lovin’ You』(Badワールド・ツアーにて)
『I Just Can’t Stop Lovin’ You』は『Bad』に収録されていますが、レコーディングバージョンはプロデューサーのクインシー・ジョーンズの秘蔵っ子サイーダ・ギャレットによるものです。
もともとはバーバラ・ストライサンドかホイットニー・ヒューストンとのデュエットが予定されていたようですが、うまくいかなかったみたいで、結局サイーダに。
サイーダはクインシーの抱えるいろんなアーティストのデモやバックコーラスをしていたので、レコーディングスタジオで「マイケル:〜 サイーダ:〜」という楽譜を見るまで自分がマイケルとデュエットを歌うということを知らなかったそう。
気付いたときは「オーマイガッ」だったそうです。

ちなみに彼女は『マン・イン・ザ・ミラー』の作詞作曲にも携わっているよ
レコーディングはサイーダですが、バッドのワールド・ツアーでは、歌手のシェリル・クロウによってデュエットがされます。

シェリル・クロウは、「All I Wanna Do」や「Soak Up The Sun」で有名だよね
私は個人的にシェリル・クロウの声が大好きで、けっこう聴いていたのですが、マイケルのバッドツアーの「あの人」だと最近まで気づきませんでした。

だって、バッドツアーのときってメイクも髪型もバブリーで全然ちがうんだもん…
気付いたときはびっくりしたと同時に、嬉しくなりました。
この2人が共演していたなんてね。
関係ないけど私はシェリル・クロウの「Easy」が好き。
ちなみにライブではこの曲が突然終わり、その後に「She’s Out Of My Life」を演奏して、恋愛の絶頂から失恋、という物語っぽく仕立てています。
この曲は『This Is It』でもこの曲は演奏予定だったようで、リハーサルの様子が収録されていましたね。
マイケルがリハーサルなのにノッてきて本気で歌っちゃって、終わった後に照れて「もう、リハーサルなんだから僕に声を出させないでよ」と、観客のダンサーやスタッフにプンプンしているところがかわいかった。
ライブでも定番の美しいバラード、これからもいろんな人に歌い継いでもらいたい名曲です。
ダイアナ・ロス『Ease On Down The Road』(1975)
『Ease On Down The Road』はダイアナ・ロスとマイケルジャクソンが共演したミュージカル映画『The With』でのデュエット曲です。
ダイアナとマイケルはジャクソン5時代からの付き合いで、マイケルにとっては「母、姉、恋人」を合わせたような存在でありながら、デュエット曲はミュージカルのサウンドトラックだけです。
なんだか意外です。
マイケルがダイアナに曲を提供したりはしているんですが。
ただ、ライブなんかで共演したりしていて、その際はとても息のあったパフォーマンスを見せてくれます。
お互いがお互いを見る目が愛にあふれていて、二人だけの世界って感じで、ああ、やっぱこの2人は特別な絆があるんだな、と感じさせられます。
『The With』での共演の際に、ダイアナとマイケルは仲を深めたようです。
(ダイアナロスとの友情以上の関係性については、こちらの記事をご覧ください↓)

この曲でマイケルはかかしの格好に変装していますが、マイケルだとわかる圧倒的なダンス力だよね

もともとミュージカルのファンだったというマイケルが、楽しそうに踊っているのが印象的だよ
マイケルとダイアナの切り離せない関係については、こちらの記事でも書いていますのでよろしければご覧ください!
スティービー・ワンダー『Just Good Friends』『Get It』
『Just Good Friends』はマイケルの『Bad』に、『Get It』はスティービー・ワンダーの1987年のアルバム『Characters』に収録されています。
スティービーはジャクソン5時代の所属していたレコード会社「モータウン」の先輩にあたり、2人はとても仲良かったようです。

マイケルにとってスティービーは憧れの存在でもあるよ

家族ぐるみの付き合いで、一緒にかくれんぼとかして遊んでたらしいよ
スティービーはマイケルに1979年のアルバム『Off The Wall』にも『I Can’t Help It』という曲を提供しています。聴くと「あ、スティービー味を感じる」と思うと思います。
スティービーが歌ってそうな曲です。
さて、『Just Good Friends』はスティービーとマイケルの声が絶妙に混じり合って、聴いててとても爽快なデュエットとなっています。

さすが、元モータウンファミリーだね
あまり有名でないですが、『Get It』はマイケルの少し珍しいワイルドなボーカルが聴ける曲となっており、個人的には好きです。
コラボ作品のときって、多分アーティスト同士で好き勝手やっているので、のびのびしているというか、自由な感じがありますよね。
そんな雰囲気も好きです。
E.T.『Someone In The Dark』
1982年11月『スリラー』の発表の1ヶ月前にリリースされたのがスティーブン・スピルバーグ監督の大ヒット映画『E.T.』の物語のナレーションと歌をマイケルが担当した『E.T.ストーリーブック』で、その中に収録されている曲が『Someone In The Dark』です。

このストーリーブックは枚数限定で発売されたので現在は入手困難だよ

マイケルはあのE.T.とも共演を果たしているとは。。。

1982年はE.T.とマイケルの年だっただね

曲の中でちゃんとE.T.も「さーんく…ゆーー…」とラップ?してるよ

これはデュエットと呼んでいい…よね!!(無理やり)
スリラーの制作で忙しかったマイケルはこっちにも時間をとられ、プロデューサーはやきもきしていたようですが、マイケルは地球で受け入れられるために必死に頑張るE.T.と、ツアーで都市や都市を巡るときの自分の気持ちを重ね合わせ、感情移入していたようです。
孤独で友達がほしいE.T.とマイケルはたしかに重なります。
『Ben』の大人版というか。
ナレーションの録音で、E.T.が死んでしまうシーンでマイケルは泣いてしまいますが、何度撮っても同じだろうということでそのまま採用したそうです。

子供や映画の好きなマイケルにとっては、夢のような仕事だったんだろうね
『Someone In The Dark』の歌も、とても優しく語りかけるようなマイケルのボーカルと少し宇宙的なシンセサイザーが混ざり合い、E.T.の世界観にぴったりの曲となっています。
この曲は 『スリラー25周年記念』のCDのボーナストラックに収録されました。
番外編:ディズニーランド
マイケルはディズニーランドのシアタータイプのアトラクション「キャプテンEO」でも主役を演じました。
日本でもミクロ・アドベンチャーのあったところに1987年3月にオープンし、1996年にはクローズしましたが、マイケルの死を受けて2010年から復活し、2014年6月30日まで再演しました。

わたしも再演の際には1人で(!)ディズニーランドに行って何度も乗ってきたで

大画面で3Dで見ると、もうなんか、うん、最高だよなあ
アーティストがディズニーのアトラクションともコラボするとはすごいですね。
当時どれだけの人気だったのか、私なんかは生まれていないので想像するしかないですが、相当だったのだろうと思います。
キャプテンEOで使われた楽曲は『Another Part Of Me』と『We Are Here To Change The World』で、『Another Part Of Me』については『Bad』に収録されています。

『Another Part Of Me』は、ライブでも演奏している様子が見られるよ
この曲は後にBadの25周年記念アルバムに収録された『Streetwalker』とで、どちらを『Bad』に入れるかと最後の最後まで迷ったそうですが、マネージャーのフランク・ディレオが『Another Part Of Me』を聴いた途端に踊りだしたのでこちらを採用したという逸話があります。
アトラクションの曲とだけあって壮大なテーマですが、マイケルが歌うとなんか説得力があります。
ファンキーで楽しい曲です。
まとめ:コラボっていいなあ!
マイケル・ジャクソンといろんな大物アーティスト(など)とのコラボについてまとめました。
コラボした大物は以下のとおりです。

大物揃いだなあ
個人的にはE.T.との共演は、時代の象徴というか、ハリウッド映画の最盛期でもあったわけで、なんだか感慨深いです。
エディのギター・ソロも、本当にかっこいいし『Beat It』にはなくてはならないですよね。
個人的にはフレディ・マーキュリーとのコラボをもうちょっと聴きたかったなあ。
2人とも早すぎるお別れになってしまい残念です。

きっと天国でコラボしてるよね…いいなあ。
わたしもいつか合流するぞ。なんちって。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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