スムースクリミナルってどういう意味?マイケルジャクソンの歌詞の世界を読み解く

マイケル・ジャクソン
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マイケル・ジャクソンは、ダンスや歌の方に注目が集まることが多いですが、実は作詞・作曲家でもあります。

聴いたことのある曲は多くても、マイケル・ジャクソンが実際に「何について」歌っているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

いぬ
いぬ

マイケルの歌詞はどちらかというと「直球」というか、わかりやすいものが多いよね

ねこ
ねこ

でもよく聴くと「そういやこれってどういう意味?」というクセのある歌詞も多いよ

今回はそんなマイケル・ジャクソンのクセ強めな歌詞の世界をファンなりに読み解いてみました。

ぜひ曲も聴きながら楽しんでいってください!

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「『Billie Jean』は僕の恋人じゃない」…ビリージーンって誰?

まずはメガヒットアルバム『Thriller(1982)』からのヒット曲「Billie Jean」です。

みなさんも曲はご存知かと思いますが、歌詞は知らないという人も多いのではないでしょうか。

いぬ
いぬ

マイケル・ジャクソンといえば!ってやつだね

ねこ
ねこ

ムーンウォークを披露するナンバーとしてもお馴染みだね

そもそも曲のタイトルが「ビリー・ジーン」という女の人のフルネームというかなりパンチのある曲です。

早速、歌詞の抜粋を見てみましょう。

Billie Jean is not my lover
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない

She's just a girl who claims that I am the one
彼女はただ、自分の子供が僕との子だって言い張ってるだけ

But the kid is not my son
でもその子は僕の息子じゃない

She told my baby we'd danced 'til three, then she looked at me
彼女は「ベイビー、私たち朝の3時まで一緒に踊ったわよね」って言って僕を見て

Then showed a photo my baby cried his eyes were like mine (oh, no)
子供の写真を見せて 泣いたときの目が僕の目に似てるっていうんだ(勘弁してくれよ)

'Cause we danced on the floor in the round, baby
僕らはただ一緒に踊っただけなのに

まず、「ビリー・ジーンって誰やねん」ってなりますよね。

いぬ
いぬ

その子は僕の息子じゃない」ってこれまた結構な修羅場でしか聞かない発言だよね

クセ強めです。

この曲の歌詞は、マイケルの私生活で実際にあった出来事からインスパイアされて作ったそうです。

マイケルは自伝の中でこう語っています。

ビリー・ジーンという実在の人物はいません。その子は僕の兄弟達が何年も悩まされていた人たちを合わせたみたいな人物なんです。女の子たちが、なぜ誰かの子供を身ごもっていると嘘をつくのか理解できませんでした。

Moonwalk | Michael Jackson
いぬ
いぬ

あなたの子供を身ごもっているの」と言ってくるファンは、ジャクソン5の時代からずっといたんだね

ねこ
ねこ

いそうだなあ

また、マイケルは大人になってから「過激な」ファンにも出会い、その方もこの曲を書くのにインスパイアされたと言われています。

そのファンは、マイケルの子供を身ごもったという内容の手紙をマイケルに送ってきますが、それが何度も何度も送られてきて、マイケルは悪夢を見るまでに悩まされます

そしてついに、母親の写真と拳銃が同封され、「特定の時間に子供と心中をするので一緒に心中をして、来世で一緒になりましょう」といった内容の手紙が送られてきたそうです。

いぬ
いぬ

ここまでくると、怖すぎる。。。

後に、そのファンは精神病院に入院したとか。

こんな経験も、曲を書く際の着想になったと言われています。

物語ではなくて実体験というところに「But the kid is not my son」と叫ぶマイケルのリアルな悲痛が聞き取れます。

そして「ビリー・ジーン」についてですが、当時有名な女子プロテニス・プレーヤーに「ビリー・ジーン」という方がいましたが、その方とは関係ないようです。

いぬ
いぬ

プロデューサーのクインシーが、テニスプレーヤーを連想させるからタイトルを『Not My Lover』にしたほうがいいと提案したけど、マイケルは断ったんだって

ねこ
ねこ

『大坂なおみ』っていう曲名と同じようなことか…

でも『Not My Lover』より『ビリー・ジーン』の方がキャッチーだね。

『Not My Lover』じゃ言いにくいし。なんかもったりしてる。

押し通してよかった、マイケル。

ちなみにですが、『Billie Jean』が収録されているアルバム『Thriller』の1曲目の『Wanna Be Startin’ Somethin’』の歌詞にもビリー・ジーンが登場します。

Billie Jean is always talkin'
ビリー・ジーンはずっと喋ってる

When nobody else is talkin'
誰も喋っていないときに

Tellin' lies and rubbin' shoulders
嘘をベラベラ喋ってお近づきになろうとして

So they called her mouth a motor
だからみんな「彼女の口はモーターだ」って言ってるBi

同じ人なのかな?

『Billie Jean』はマイケルのシングルの中で最大の売上げを誇り、マイケルのキャリアにおける最大のヒット曲になっています。

Billie Jeanはクレイジーなファンを集合させた架空のキャラクター

挑発的?ポール・マッカートニーと女の子を取り合う『 The Girl Is Mine』

この曲はビートルズのポール・マッカートニーとのデュエットで、『Thriller』の3曲目に収録されています。

いぬ
いぬ

ポールとマイケルはアニメ好きなど共通の趣味もあり、仲が良かったよ

ねこ
ねこ

ポールとマイケルのコラボ曲は他にも「Say Say Say」や「The Man 」などがあるね

この曲は、ポールとマイケルがひとりの女の子をめぐって、「The Girl Is Mine(=あの娘は僕のもの!)」と取り合いをしているかわいい曲です。

さて、早速歌詞をみてみましょう。

(マイケル)
The girl is mine
あの子は僕のもの

The doggone girl is mine
あの素敵な子は僕のものだ

I know she's mine
僕のものなんだ

Because the doggone girl is mine
だってあの素敵な子は僕のものなんだから 

(ポール)
I don't understand the way you think
なんでそう思うのか不思議だな

Saying that she's yours not mine
彼女が僕のものじゃなくて君のものだって

Sending roses and your silly dreams
バラの花とかアホらしい夢を彼女に送ったって

Really just a waste of time
まじで時間の無駄だぜ

Because she's mine
だってあの子は僕のものだから

最後の「会話(ラップ?)」の部分です。

Paul: Michael, we're not going to fight about this, okay
ポール:マイケル、もう戦うのはやめよう、いいね

Michael: Paul, I think I told you, I'm a lover not a fighter
マイケル:ポール、言ったでしょ。僕は戦っているんじゃなくて、愛しているんだ。

Paul: I've heard it all before, Michael, she told me that I'm her forever lover you know, don't you remember?
ポール:マイケル、僕はこの耳で聞いたんだよ。彼女は僕こそが永遠の恋人だって言ったんだ、覚えてない?

Michael: Well, after loving me, she said she couldn't love another
マイケル:へぇ、でも僕を愛したら、もう他の人は愛せないとも言ってたぜ。

Paul: Is that what she said?
ポール:そんなこと言ったの?

Michael: Yes, she said it, you keep dreaming
マイケル:うん、そう言ってた。夢だけ見てな。

Paul: I don't believe it
ポール:そんなん信じるかぼけ!

この歌詞のおもしろいところは、まずマイケルの方がちょっと優勢なところです笑

最後のポールはちょっと

Paul: Is that what she said?
ポール:そんなこと言ったの?

Paul: I don't believe it
ポール:そんなん信じるかぼけ!

てな感じで少し焦ってます。

いぬ
いぬ

最後はポールが理論というより感情で反発しているので、劣勢だね

ねこ
ねこ

しらんけど

マイケルがこの曲を作っているので、おそらく無意識の負けず嫌いが発動しているのかな?と邪推するのが面白いです。

マイケルは子供の頃から口喧嘩が強いというか、怖いお父さんに兄弟の中で一番反抗していたそうなので、そういう質が出ている気がして個人的に聴いていて楽しい笑

また、マイケルの「I’m a lover, not a fighter」(=僕は戦う人ではなくて、愛する人だ)

というセリフは、マイケルの人生を通した標語のようにも感じられます。

いぬ
いぬ

マイケルはあらゆる言葉の暴力や荒んだ心に愛で立ち向かおうとしたよね

ねこ
ねこ

fighterじゃなくてloverか。。ガンジーを思い出すね

そして個人的に画期的と思うのは、「白人と黒人が対等に女の子を取り合う」という構図です。

女の子が黒人か白人かはわかりませんが、どちらにせよ、黒人男性と白人男性が女の子を取り合うなんて、少し前のアメリカだとありえませんでした。

『ニューズウィーク』誌のジム・ミラーの記事には、こう書かれています。

(「The Girl Is Mine」は)可愛らしく、ごく普通の曲である。ところがリスナーは歌詞の意味を考えておやと思う。アメリカのラジオ局がこれまで2人の男、片方は黒人でもう片方は白人、が同じ女性を巡って言い争っている曲を放送したことがあるだろうか?

ジョセフ・ボーゲル著「マイケル・ジャクソン コンプリートワークス」より

また、マイケルが生まれる3年前の1955年、エメット・ティルという14歳の黒人の少年が、ミシシッピ州のお店で白人の女の子に口笛を吹いて「誘惑」したという理由で、その女の子の夫と夫の兄弟にリンチされた後射殺され、川に死体を流されるという残忍な事件が起こっています。

黒人男性が白人女性に手を出すことはおろか、口笛をふくことや色目を使うことなどは許されない行為であり、アメリカ南部ではこのような黒人男性に対する暴行事件は多発していました

いぬ
いぬ

1960年代には公民権運動によって黒人と白人の社会的地位は一応平等となったよ

ねこ
ねこ

でも、人々の心を完全に変えるには、現在に至るまでまだ途中経過だね

そんな中、マイケル(黒人)とポール(白人)が女の子を対等に取り合うという歌は、なかなか挑発的なのではないかと個人的には感じています。

これが可能だったのは、マイケルの「中性的で攻撃しそうにない紳士的で柔和な雰囲気」によるものではないかと思ったり。こいつなら「安全」だろうと。

曲調もとてものんびりしたものなので、娯楽として聴けちゃうんですね。

楽しい雰囲気の中に、画期的で少しの攻撃性が潜んでいる、2面性を持った曲だと言えます。

黒人と白人が女の子を取り合うという挑戦的な歌詞

『Smooth Criminal』ってどういう意味? なぜアニーの安否確認してるの?

アルバム『Bad』から、『Smooth Criminal』です。

いぬ
いぬ

マイケルが立ったままグーッと倒れて、スーッと戻ってくる「アンチ・グラビティ」のダンスだね

ねこ
ねこ

長嶋茂雄か?

しかし、歌詞は結構つっこみどころ満載です。

そもそも「Smooth Criminal」ってどういう意味かっちゅう話ですよね。

「なめらかな犯罪者」。。。うーむ。

そして「アニー」って誰やねん。

早速、歌詞を見てみましょう。

As he came into the window
彼が窓際から侵入するにつれて

Was a sound of a crescendo
音がだんだん大きくなった

He came into her apartment
彼女のアパートに忍び込み

He left the bloodstains on the carpet
カーペットに血痕を残した

She ran underneath the table
彼女はデーブルの下に逃げ込んだ

He could see she was unable
でも彼は彼女が抵抗しても無駄なことがわかっていた

So she ran into the bedroom
彼女はベッドルームに逃げたけど

She was struck down, it was her doom
彼女はそこで倒された それが彼女の最後だった

Annie, are you ok? So, Annie are you ok?
アニー、大丈夫? アニー、大丈夫か?

Are you ok, Annie?
大丈夫か、アニー?

Annie, are you ok? So, Annie are you ok?
アニー、大丈夫? アニー、大丈夫か?

Are you ok, Annie?
大丈夫か、アニー? 

(中略)

 You've been hit by, you've been hit by
君は襲われたんだ 君はやられたんだ

A smooth criminal
スムーズ・クリミナルに
いぬ
いぬ

そもそも、サビが「Annie, are you ok?」の連呼ってなかなかぶっとんだ歌詞だね

「Smooth Criminal」とは誰なのか?

さて、「Smooth Criminal」とは何なのかという話ですが

「smooth」とは「なめらかな、柔和な、よどみのない」などの意味があり、「criminal(=犯罪者)」と合わせた「smooth criminal」という言葉はマイケルの造語のようです。

いろんな意味に捉えられますが、「手際よく犯行を犯してスムーズに去って行く犯罪者」というような意味合いと考えられます

やり手の犯罪者ですね。

「ベッドルーム」で致命的打撃をうけたようですので、アニーは「スムーズ」な男に心を盗まれ、あれよあれよという間に「骨抜きにされて」しまったという恋愛の状況を、犯罪とかぶせた比喩とも考えられたりするかな、と思ったりもします。

いぬ
いぬ

英語でも「steal one’s heart(=心を奪う)」という表現があるね

ねこ
ねこ

奪った人は犯罪者と言われてもおかしくないということか

また、この「犯罪者」にはモデルがいるそうで。

1984年から1985年にかけて、ロサンゼルスからサンフランシスコで発生した連続殺人事件があり、その犯人のリチャード・ラミレスという人物からインスパイアされたと言います。

いぬ
いぬ

犯人は自分のことを悪魔崇拝者と名乗り、家から家へ忍び込んで犯行に及んだそうだよ

アニーとは誰?

そしてアニーについてですが、これは「心肺蘇生法」の訓練に使うダミー人形の「アニー」からきているのだとか。

いぬ
いぬ

学校や職場でAEDの訓練をする際、実物大の人形に「〇〇さん、大丈夫ですか?」と言うよね

ねこ
ねこ

ああ、あれか!だから「大丈夫ですか?」なのか!

まさにあれが、アメリカ版だと「Resusci Anne」と呼ばれる人形を用いて「アニー、Are you ok?」となるそうで。

Smooth Criminalの歌詞そのままやん、というわけです。

マイケルが心肺蘇生法の訓練を受けた際にインスパイアされたとのこと。

たしかにsmooth criminalでも人工呼吸をするシーンがあります

So they came in to the outway
人々は出口に集まった

It was Sunday, what a black day
それは日曜日だった なんて暗い日なんだ

Mouth-to-mouth resuscitation
マウス・ツー・マウス人工呼吸法

Sounding heartbeats, intimidation
心臓の音 物々しい雰囲気

アメリカの人が聞いたらもしかしてみんなすぐに「ピン!」とくるのかな。

こんなところからも歌詞を作っちゃうマイケル、さすがですわ。

「アニー、大丈夫?」は心肺蘇生法の訓練からインスパイアされた歌詞

怖すぎる『Little Susie』

『Little Susie』は、アルバム『HIStory』に収録されている曲です。

この曲最初に聴いたとき私は子供で、とても怖くて1人で家にいるときは聴くのを控えることにしたのを覚えています。

出だしの歌詞を見てみましょう。

Somebody killed little Susie
誰かが小さなスージーを殺した

The girl with the tune
歌が好きな女の子

Who sings in the daytime at noon
昼間の正午に歌を歌う

She was there screaming
彼女はその部屋で叫んで

Beating her voice in her doom
死の瞬間声を出したけど

But nobody came to her soon...
誰もすぐには駆けつけなかった

(中略)
Neglection can kill
無関心は

Like a knife in your soul
魂に刺さったナイフのように人を殺す

Oh it will
ああ、殺してしまう

But Susie fought so hard to live...
でもスージーは生きようと必死に戦った

She lie there so tenderly
彼女はそこにとても優しく横たわっている

Fashioned so slenderly
とても貧相な様子で

Lift her with care
優しく持ち上げてあげて

So young and so fair
とても幼くて とても清らかな彼女を
いぬ
いぬ

出だしから怖すぎる〜

弦楽器と合唱のレクイエムで始まります。その時点でなんか怖い。

その後、オルゴールを巻く「キリキリ、キリキリ」という音。

それからオルゴールと子供の歌声が聞こえ、だんだんゆっくりになっていき、最後に止まります。

そしてマイケルの歌が始まります。

なんと歌が始まるまで3分弱

ホラー映画の始まりを聴いているような感覚になります。

この曲は、何を表しているのか。

実はこの曲、1972年に起きた6歳のスーザン・コンドリーという少女の殺人事件に基づいています。

いぬ
いぬ

スージーは、スーザンのよくあるニックネームだね

ねこ
ねこ

けんたろうくんがケンちゃんになる的な

お父さんは精神を病み、お母さんはドラッグディーラーで薬物乱用で最終的に亡くなるという、過酷な家庭環境に育ったスーザン。

スーザンの育児は放棄され、栄養失調の状態だったとか。

結局おじいちゃんの元に預けられますが、そこでも虐待されます。

そしてある夜、階段の下で頭蓋骨損傷で亡くなっているのが見つかり、その遺体の近くにはオルゴールがあったそうです。

いぬ
いぬ

曲の歌詞やオルゴールなど、事件と歌詞はいろいろと重なるね

そしてこの曲はクラシック音楽を用い、マイケルの曲の中では特異なミュージカルやオペラのような曲調になっています。

マイケルはクラシック音楽が大好きで、毎日聴いて寝ていたようなので、曲作りに現れたものと考えていいでしょう。

また、「音楽で物語を語ること」を得意とするマイケルの集大成と言ってもいいかもしれません。

曲がひとつの世界になっている。

でもさあ、お実話に基づいていたとしても怖すぎる。

いぬ
いぬ

CDジャケットの絵もこわいんよ

怖がりの私はあまり聴きません笑

が、はじめての方はぜひ聴いてみてください!

かなり特殊な曲だと感じるはずです!

事件に胸を痛めて、この事件を忘れないようにマイケルが作ったこの作品。

いぬ
いぬ

「無関心は人を殺す」っていう歌詞が、胸に刺さるね

ねこ
ねこ

人の心に無関心なメディアに嘘の報道やバッシングをされたせいで、マイケルの身に起こったことを考えると皮肉だね

ちなみにですが、マイケルの『Blood On The Dance Floor』という曲にも「スージー」が出てきます。

これは偶然かな?

『Little Susie』は実話の悲劇を元にしている

『D.S.』ってもろあの人…!実名でけなしまくるヤバい曲

『D.S.』は『HIStory』に収録されています。

『HIStory』がリリースされたのは1995年ですが、この時期は1993年に1回目の少年性的虐待疑惑がかかり、身体のプライベートな部分を見せるといった屈辱的な捜査が行われたりしました。

『HIStory』はメディアからたくさんのバッシングを受けたりと、怒りの多い時期に作成されたアルバムで、「Tabloid Junkie」や「Scream」など心の叫びや怒りがストレートに表されたがたくさん見られます。

『D.S.』もそんな曲のひとつです。

歌詞を見て見ましょう。

They want to get my ass
彼らは僕を捕まえたいんだ

Dead or alive
僕が死んでも生きていても構わない

You know he really tried to take me down by surprise
彼は僕の足をすくいたくて仕方がないんだ

I bet he missioned with the CIA
彼はCIAに遣わされたのかな

He don't do half what he say
彼は言ったことの半分も実行しない

Dom Sheldon is a cold man
ドム・シェルドンは冷酷な男だ

Dom Sheldon is a cold man
ドム・シェルドンは冷酷な男だ

タイトルの『D.S.』はドム・シェルドンのイニシャルです。

いぬ
いぬ

ドム・シェルドンさん、散々言われているけど、誰なの?

実は、2度のマイケルの少年性的虐待疑惑の裁判を率いたのがサンタ・バーバラ州の検事であるトム・スネドン

彼はかなり執拗にマイケルの捜査をし、個人的因縁だと批判されるほどの執念でした。

プライベートな部分の写真をとるという捜査も彼が率いました。

ドム・シェルドンはトム・スネドンと直接言わないために少し言い換えた名前です。

いぬ
いぬ

それにしてもかなりあからさまだね

ねこ
ねこ

相当、頭にきていたんだろうな

しかも、歌詞カードには「ドム・シェルドン」と書いてありますが、実際に歌を聴くと普通に「トム・スネドン」は冷酷な男だ!とガッツリ実名を言っています笑

いぬ
いぬ

「トム・スネドン」とはっきり連呼しているよ

ねこ
ねこ

曲の最後は拳銃の「バコーーン!」という音が鳴り響いて終わるね

いぬ
いぬ

やっちゃってるね

歌を聴くとわかりますが、マイケルの怒り、フラストレーション、ストレス、悲しみなどさまざまな激しい感情が読み取れるボーカルになっています。

曲で人々に楽しみやメッセージ、愛やエンタメを提供してきたマイケル。

しかし『HIStory』は彼のナマの感情がどばどばと溢れていて、一番マイケル本人に近づけるアルバムな気がします。マイケルにしては珍しいです。

いぬ
いぬ

きっとギリギリだったんだろうな

ねこ
ねこ

人をエンターテインするには、自分に余裕がないと難しいよね

めちゃめちゃ怒り狂うマイケルもぜひ聴いてみてください!

曲もふつうにかっこいい!!

D.S.はトム・スネドン検事を言い換えた頭文字

まとめ:物語のような歌詞に引き込まれる

マイケル・ジャクソンのクセの強い歌詞の曲をご紹介してきました。

作詞家としてのマイケル・ジャクソンはあまり注目されることがありませんが、たくさんのおもしろくて独特な作品を作っていることがわかったかと思います。

マイケルの歌はメッセージ・ソングもありますが「ストーリー」があるものが多く、聴いていてその世界に引き込まれてしまいますよね。

また聴くものをその世界に引き込む音楽的な仕掛けもあり(スリラーのイントロのドアが開く音やスムーズクリミナルの冒頭の心拍音など)、一曲聴くと1つのミュージカル作品を観たような気持ちになります。

いぬ
いぬ

マイケルのお兄さんによると、マイケルは音楽を「見る」ことを大事にしていたそうだよ

ねこ
ねこ

そういえばスリラーも然り、マイケルの曲はビデオや心象風景と一緒に記憶されていることが多いね

歌詞と音楽とを合わせて、これからもマイケルの音楽を味わっていけたらと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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