マイケル・ジャクソンはダンスやストーリーが楽しめるミュージックビデオが有名だよね
有名な映画監督を起用して、多額の予算で製作していたそうだよ
マイケルはプロモーションビデオ(PV、宣伝映像)と呼ぶのを嫌がって、ショートフィルム(短編映画)と呼んだんだって
実はマイケル・ジャクソンのミュージックビデオにはさまざまな面白い逸話やトリビアがあります。
今回はマイケル・ジャクソンの有名な曲のミュージックビデオに関する面白いトリビアをまとめました。
この記事を読めば、ミュージックビデオが何倍も楽しくなります!
ぜひご覧ください!
演技じゃなかった!リアルなギャングを起用:『Beat It』
『Beat It』のミュージックビデオは、1983年2月にリリースされました。
ビデオのストーリーは「2つの対立するギャングの集団をダンスの力で団結させる」という内容です。
その『Beat It』のビデオに出てくるギャングの一部ですが、なんとロサンゼルスの本物の対立しているCripsとBloodsという集団から起用しています。
リアルだと思っていたら、本物だったんだ!
2日間にわたる撮影の最中に、一触即発の事態になったこともあったそうだよ
ディレクターのボブ・ジラルディによると、本物のギャングを起用するというアイディアはマイケルのもので、
- ビデオに説得力を持たせるため
- 2つのギャング集団が仲良くなる機会を与えるため
という理由があったそうです。
『Beat It』の歌詞も、戦わないで逃げることの大切さを説いているよね
どこまでも平和主義なんだね
彼らは疲れる撮影の間にしびれを切らし、イライラして不穏な空気になったそうですが、ダンスシーンが始まるとダンサーたちのダンスに見惚れて大人しくなったそうです。
ミュージックビデオのダンスの力で団結させるというストーリーが、実際の撮影現場でも起こっていたというのはおもしろいですね。
過激すぎて放送禁止!幻の黒豹ダンス:『Black or White』
『Black or White』のミュージックビデオは1991年11月にリリースされましたが、実は公開当時、「放送禁止」になりました。
現在よく流されるものは6分半ほどのショートバージョンですが、オリジナルバージョンは11分の長さがあります。
ホーム・アローンの子役のマコーレー・カルキンが出演しているのでも有名だね
様々な人種の人の顔が変化するモーフィングの技術でも話題になったわ
問題になったのは、オリジナルバージョンにある最後の4分のパンサー・パート(黒豹のパート)と呼ばれる部分。
まず、ミュージックビデオの撮影現場から1匹の黒豹が抜け出し、外の裏路地のようなところでマイケル・ジャクソンに姿を変え、ダンスが始まります。
このダンスシーンの中で、マイケルは
- 車の窓ガラスを割る
- 車のハンドルをもぎ取って投げる
- ホテルを破壊する
- 股間を掴む、揉む
- ズボンのジップをあげる
などの「本能の赴くまま」というような行動をたくさんします。
このダンスシーンが「暴力的である」「性的である」という理由で放送禁止になりました。
見ていただけると分かるのですが、確かに結構暴力的で、セクシュアルな描写もたくさん出てきます。
マイケルはパンサー・パートについて、1999年にMTVにこう語っています。
“I wanted to do a dance number where I could just let out my frustration about injustice and prejudice and racism and bigotry…within the dance I became upset and I let go…At the time, people were concerned with the violent content of the piece, but it’s easy to look at.”
「僕は不正や偏見、人種差別や不寛容に関する苛立ちを、ただ外に出すことができるダンスの曲を作りたかったんだ…踊っている間、僕は怒り、感情を外に出す…当時、人々は暴力的な内容の部分について懸念していたけど、心配するような複雑なものじゃ無いんだ。
https://www.michaeljackson.com/video/black-or-white-official-video/
物議を醸した後すぐに謝罪文を出したマイケルは、その後パンサー・パートをよりわかりやすいものにするために、壊す窓ガラスに「KKK Rules(=KKK万歳)」や「Niggar Go Home(=黒んぼ帰れ)」「Hitler Lives(ヒトラーは生きている)」などといった人種差別的落書きを加えた「grafiti version(=落書きバージョン)」も作っています。
現在マイケル・ジャクソン公式YouTubeでは、落書きなしのオリジナルバージョンと、ショートバージョンが見られます(パンサー・パートは6分30秒以降から)。
危うくお蔵入りだったかも?!:『Thriller』
ミュージックビデオに革命を起こしたとして、歴史的な価値を認められている「スリラー」のミュージックビデオですが、実は公開直前にマイケルの指示により、お蔵入になる危機にありました。
1983年にシングルカットされた『Thriller』のミュージックビデオの冒頭に、以下のようなテロップが出ます。
“Due to my strong personal convictions, I wish to stress that this film in no way endorses a belief in the occult. ——Michael Jackson ”
僕の個人的信念に基づき、このフィルムがいかなる意味においてもオカルト信仰を支持するものでは無いことをここに強調します。——マイケル・ジャクソン
Music video Thrillerの冒頭より
何なんだろうって思っていたよ
オカルト信仰を支持ってなんのこと?
実は、このテロップは、マイケル・ジャクソンがスリラー製作当時信仰していたエホバの証人の教団に配慮するために加えられました。
どういうこと?
『Thriller』のミュージックビデオでは、墓場からゾンビが這い出てきて踊ったり人に襲いかかってきたりするシーンがあります。
それを観たエホバの証人の教団関係者が「悪魔学」を支持し教義に反するものだとして、マイケルに忠告したのです。
マイケルからしたら寝耳に水って感じだね
ゾンビがダメだなんて思わないもんね…
それを聞いたマイケルは、パニックになります。
マイケルは後に、「彼らに非難されるのは本当に辛かった」と語っています。
破門を恐れたマイケルは、監督のジョン・ランディスに巨額の予算と熱意を込めて製作した出来立てのフィルムを「破壊」するように頼みました。
これを聞いた長年マイケルの弁護士を務めるジョンブランカが、マイケルにビデオの冒頭にこの「免責事項」を入れることを提案し、なんとかお蔵入りすることを免れました。
危なかったね
最初に出てくる但し書きは、ただものでないホラー感が出るから結果的にいい効果を生んでいるかもね
ジョン・ブランカのおかげで日の目をみた『Thriller』は、歴史的価値が認められ、ショートフィルムとしては初めてアメリカ国立フィルム登録簿に登録されるなど、歴史に名を残すこととなりました。
めでたしめでたし
「Thriller」ミュージックビデオはこちら↓
アドリブでやっちゃった☆:『Bad』
1987年9月にリリースされた『Bad』のミュージックビデオには、実はマイケルが撮影現場で急に台本にないことをしたまま採用されたシーンがあります。
有名なビデオはショートバージョンで、バックルがついた黒い衣装のマイケルとダンサーたちがニューヨークの地下鉄駅を颯爽と踊るというものです。
しかし、このビデオには18分にも及ぶロングバージョンがあり、有名なダンスシーンの前後に、裕福な私立大学から地元のゲットーに帰省したマイケルと幼馴染との気まずい再会の物語が描かれます。
監督には「タクシードライバー」や「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の監督のマーティン・スコセッシが起用されているよ
このロングバージョンのちょうど曲が終わった後から、マイケルが「Who’s Bad?」と言いながら、ダンサーと掛け合いをするシーンがあります。
黒人の教会で行われるコールアンドレスポンスそのものだね
マイケルの「カモン」を「ショモン」と言うのも、ゴスペルシンガーのMavis Staplesのオマージュだと言われているよ
改めて、自分のルーツを示したかったのかな
実はこのシーンはマイケルのアドリブだそうです。
マイケルは現場でダンサーたちに「ついてきて」と言い、ダンサーたちは見よう見まねでマイケルの言うことを真似したそうです。
確かに、よく見るとマイケルがちょっと複雑なことをすると「ふにゃふにゃ」とついていけてない感じも見受けられます笑
アドリブのコールアンドレスポンスは14分あたりからです。
ちなみに、12分22秒あたりで印象的な「あーーーーーー!」と叫ぶところもマイケルのアドリブだそうです。
「Bad」のミュージックビデオはこちら(ロングバージョン)↓
元ネタがある?!:『Smooth Criminal』
マイケルの代名詞的存在ともなっている「Smooth Criminal』のPVには、実は衣装からセッティングまでそっくりの「元ネタ」があります。
『Smooth Criminal』は、1988年11月にリリースされました。
青いシャツに白いスーツにネクタイ、白いフェドーラ帽、アームバンドという出立ちのマイケルが、床スレスレまで斜めに倒れるダンスのシーンで覚えている人も多いでしょう。
実は、このミュージックビデオの衣装やセットなどはオリジナルのものではありません。
そうなの?
スーツに帽子はマイケルのトレードマークだと思っていたよ
『Smooth Criminal』を作るときに、マイケル・ジャクソンは小さい頃から尊敬してやまないフレッド・アステアにオマージュを捧げることを決めます。
実際にダンスシーンで使われたバーやマイケルの衣装は、フレッド・アステア1953年の映画「The Band Wagon」そのものです。
スタイルについては、古典の映画である1949年の「The Third Man」を参考にしたとディレクターのコリンは語っています。
マイケル・ジャクソンは白黒の古典映画の世界観が大好きだったそうだよ
スムーズ・クリミナルも実はマイケルの映画「Moonwalker」の一部として作られたんだ
こちらが「The Band Wagon」↓
こちらが「Smooth Criminal」↓
確かにそっくりだ!!
まとめ:ミュージックビデオって面白い!!
マイケル・ジャクソンのミュージックビデオに関する知っていると面白い豆知識についてまとめてきました。
トリビアを知った上でもう一度ミュージックビデオを観るともっと楽しめます!
僕もまた見返したくなっちゃったな
最後までお読みいただきありがとうございました!
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