BTS「Dynamite」「Butter」の歌詞とダンスに見るマイケルジャクソンの影響やオマージュ

マイケル・ジャクソン
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今や世界的中で知らない人のいない、世界をまたにかけるスーパースターグループのBTS。

マイケルジャクソンファンはもちろん、マイケルジャクソン世代なら彼らからマイケルジャクソンの影響を見て取れるのではないでしょうか。

今回は、BTSの「Dynamite」や「Butter」などのヒット曲に見られるマイケルジャクソンの影響について解説していきます!

いぬ
いぬ

あくまで私個人の解釈なので、絶対的な正解ではありません
「ふーん、そんなんかなー」くらいのノリで楽しんでもらえたら嬉しいです!

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BTSはマイケルジャクソンに影響を受けた?

BTSはマイケルジャクソンに影響を受けているのでしょうか。

映画プロデューサーのリアム・マキューアンがマイケルの息子のプリンスジャクソンにしたインタビューでBTSの話題になった際に、マキューアンはプリンスに対して以下のように発言しています。

Obviously, they’ve taken huge influence from your dad like “Dynamite”, the choreography was very MJ influenced and… one of their latest songs “Butter” starts with ‘smooth like butter, like a criminal undercover.” already getting that ‘Smooth Criminal’ reference in there.

…kinda tributing your dad in such a nice way but doing it in their own kind of way; it must make you thrilled?

-Liam McEwan

明らかに、BTSは「Dynamite」の曲などで、あなたのお父さんから大きな影響を受けていますよね。振り付けなんてすごくMJの影響が見られます。…彼らの最新曲のうちの一つである「Butter」も、歌詞が「バターや 抜け目のない犯罪者のように スムーズに」と始まり、冒頭から「スムーズ・クリミナル」に言及していますよね。

…彼らの独自のスタイルに落とし込みながら、このように素敵な方法でお父さんに敬意を表しています。すごく嬉しいのではないですか?

-リアム・マキューアン

※ undercoverは「覆面の」という意味ですが、「覆面の犯罪者」だと意味がおかしいので、「誰にも気づかれずに犯罪をやり遂げる」という意味で「抜け目のない」と意訳しました。

これに対し、プリンスは以下のように答えています。

…It’s very interesting to see them and when I see that level of influence, being influenced by my father, it’s really cool for them to show that kind of… The way they pay respect and homage to my father’s honor and legacy. It’s really gratifying and really heartwarming to see that they have that much love and respect for him.

And also, it’s super cool to see that my father was a trendsetter and that you can see that how they’re kinda continuing those trends but also adapting them to the modern era and then doing it their own way. It’s really cool just to continue that creative flow.

-Prince Michael

…彼らを見るのはとても興味深いです。あのような大きな影響を、父から受けているのを見ること、また彼らがあのような形で父の名誉や父が残したものに尊敬の念とオマージュを捧げるのはとても素敵なことだと思います。父にあのようなたくさんの愛と尊敬を表す様子を見るのは、とてもありがたいと感じ、すごく心が温まります。

それから、父が流行の発信者である様を見ること、また彼らがその流行を引き継ぎながらも現代に合わせて変化させ、独自のスタイルで行っているのを見ることはすごく嬉しいことです。そのようなクリエイティブな潮流を続けてくれるだけでも、最高なことです。

-プリンス・マイケル

このように、BTSのマイケルジャクソンから受けた影響は明らかで、マイケルの息子であるプリンスもその影響を嬉しく見ているようです。

「Dynamite」に見るマイケルジャクソンの影響

まずは、BTSの大ヒット曲「Dynamite」に見られるマイケルジャクソンの影響を見てみましょう。

ダンスの動きがマイケルジャクソン

マイケルジャクソンファンやそうでない人も、すぐに「ピン!」と来る人も多いと思いますが、BTSの「Dynamite」の振り付けにはマイケルジャクソン特有のアイコニックな動きが散りばめられています。

まず、ミュージックビデオ冒頭の34秒でジョングクの”Shoes on get up in the morn, cup of milk let’s rock and roll”という歌詞で行っている股間を掴む動きは、まさにマイケルジャクソンといえばと言われる動きそのものです。

次のRMによる”This is getting heavy”以降のパートで、カメラに向かって指で「カモーン」している映像も、マイケルジャクソンの「バッド」のミュージックビデオを思い出させます。

窓際を横切るダンスも、「スムーズクリミナル」の振り付けを感じる動きです。

また、サビの後半のジミンのパート”Shining through the city with a little funk and soul”以降の部分で見せる髪の毛を整える仕草は、マイケルが「ビリージーン」のライブパフォーマンスのルーティンの中で行う特徴的な動きであり、その後に足を前に蹴る仕草も、「ビートイット」のミュージックビデオやその他たくさんのダンスで見せる「まさにマイケルジャクソン」な動きです。

続いて、Aメロが戻ってきたヴィのパートでも、”Word up talk the talk just move like we off the wall, day or night the sky’s alight”と歌っている場面で行う股間を掴む動作、その後のシュガのパート、”This is getting heavy can you hear the bass boom, I’m ready”と言いながらバスケコートで指を鳴らすような動きと一連のダンスは、「ビートイット」のサビの動きそのものです。

また、その直後のジミンのパート「ディス、コ、オーバロード!」と言っているところで、腕を左右に突き出し、最後に手を広げる動作も「ビートイット」や「バッド」などでもみられるマイケル的ダンス。

サビの全員での群舞のところも、今までに出てきたダンスを総まとめしているような、マイケルが散りばめられた振り付けになっています。

“Dynnnnnanana”と歌っているところでは、ついに「ムーンウォーク」がみられます。

片足を足踏みしながら、ジャケットを脱ぐ動作も、マイケルが1995年のMTVミュージック・アワード授賞式で行った、ダンスがカッコよくて有名な「Dangerous」のパフォーマンス中にみられます。

また、最後一人ずつアップになって”Dynnnnnanana”と言っているところで、ジェイホープがサングラスを外すシーンは、マイケルジャクソンが「登場から2分間動かない」で伝説のライブパフォーマンスになりつつある1992年のデンジャラスツアーでのパフォーマンスで、サングラスをゆっくり外すシーンや、「スリラー」が8部門受賞した1984年のグラミー賞授賞式のスピーチでサングラスを外す有名な瞬間を思い出させます。

…のように挙げたらキリがないのですが、「Dynamite」は、振り付けにマイケルジャクソンへのオマージュが散りばめられたミュージックビデオになっています。

(YouTube動画でまとめてくれている方がいらっしゃいましたので、ご参考までに)

「Dynamite」の歌詞にもマイケルジャクソン

そもそも”Dynamite”はマイケルの最も敬愛するジェームズブラウンのあだ名

これは深読みしすぎかもしれませんが、「Dynamite」にはマイケルジャクソンの師匠に当たるジェームズブラウンへのオマージュも感じられます。

マイケルジャクソンが子供の頃から尊敬するアーティストに必ず名前が上がるアーティストが、”ゴッドファーザー・オブ・ソウル”ことジェームズブラウンです。

いぬ
いぬ

「ゲロッパ」の曲を聴いたことある人も多いんじゃないかな?

ジェームズブラウンはアフリカ系アメリカ人のアーティストで、ソウル音楽、ファンク音楽を初めさまざまな音楽ジャンルの創生や発展に一役買い、後世のたくさんのアーティストに影響を与えた人物です。

詳しくはマイケルジャクソンが影響を受けた人物5人【映画界のスターからアーティストまで】の記事に書いていますが、マイケルは幼少期からジェームズブラウンに憧れ、観察し、研究し、真似していました。

そんなジェームズブラウンのたくさんあるニックネームの中には「Mr. Dynamite(Mr.ダイナマイト)」というものがあります。

彼の毛穴から噴き出てくるような熱気や観る者を吹き飛ばすようなパワーから名付けられたニックネームですが、BTSの「ダイナマイト」の曲中で

Shining through the city with a little funk and soul
少しのファンクとソウルで街を照らしながら

という歌詞があり、「funk and soul」といえば、タイトルとも相まってジェームズブラウンを連想するのは難しくないです。

“off the wall”はマイケルジャクソンの記念碑的アルバム

「ダイナマイト」には、以下のような歌詞が登場します。

Word up talk the talk just move like we off the wall
さぁ、大口を叩いて、ただがむしゃらに踊ろう

ここの”off the wall”というのが、マイケルジャクソンが実質ソロ・アーティストとしてデビューしたことを宣言した記念碑的アルバム「Off The Wall」を連想させます。

“off the wall”とは、「型破りな」「風変わりな」「突拍子もない」「奇抜な」「変な」というような意味のスラングです。

マイケルジャクソンの「Off The Wall」に収録されている同名の曲「Off The Wall」には、このような歌詞が出てきます。

So tonight gotta leave that nine to five upon the shelf
だから今夜は9時から5時までの仕事のことは棚に上げて

And just enjoy yourself, c'mon
ただ楽しもう

Groove, let the madness in the music get to you
グルーヴを感じて 音楽の狂気に身を任せて

Life ain't so bad at all
人生は捨てたもんじゃない

If you live it off the wall
型破りに生きれば

マイケルジャクソンの”Off The Wall”は、「常識にとらわれないで、とにかく楽しんだもの勝ち!」というメッセージが込められていて、「Dynamite」の楽しい歌詞の世界とも重なるところがあります。

“break of dawn”もマイケルジャクソンの曲名にある

「Dynamite」には、以下のような歌詞があります。

So we dance to the break of dawn
だから夜明けまでダンスするんだ

ここに出てくる「break of dawn」とは、夜明けのことで、明け方の空が明るくなってくる時間のことを指します。

また、マイケルジャクソンの2001年のアルバム「Invincible」に収録されている官能的な(エロい)バラードに「Break Of Dawn」という曲があります。

夜明けという表現はよく使う表現なので、ここでマイケルジャクソンの曲を言及しているというのは少々深読みが過ぎるとは思いますが、「Off The Wall」の直後に「Break of Dawn」がすぐに出てくると、マイケルジャクソンファンとしては何かしらの意図を感じずにはいられません。

たまたまだったとしても、「Off The Wall」と「Break Of Dawn」と続けてマイケルジャクソンの曲名が2回出てくる歌詞には、隠れた遊び心が感じられます。

「Butter」に見るマイケルジャクソンの影響

次に、BTSの「Butter」にみられるマイケルジャクソンの影響やマイケルジャクソンへのオマージュ(言及)を解説していきます!

マイケルジャクソンの「スムーズクリミナル」への言及

まず、記事の冒頭でも紹介したように、「Butter」の冒頭からマイケルジャクソンのアルバム「Bad」に収録されているヒット曲「スムーズクリミナル」への言及と思われる歌詞が現れます。

Smooth like butter
バターのようにスムーズに

like a criminal undercover
抜け目のない犯罪者のように

Gon’ pop like trouble
トラブルのように突然現れて

Breakin’ into your heart like that
いとも簡単に 君の心に入り込むんだ

(ちなみに最後の”like that”は、「そのように」とも訳せますが、「effortlessly(難なく)」「instantly(すぐに)」という意味でも使える表現なので、文脈からそちらを採用しました。)

例)You can’t give up like that!
そんな簡単に諦めちゃダメだよ!

スムーズ・クリミナルってどういう意味?マイケルジャクソンの歌詞の世界を読み解くの記事で詳しく解説していますが、スムーズクリミナルはマイケルジャクソンの造語で、誰も正しい意味は分かりませんが、「スムーズに抜け目なく犯罪を犯すやり手の犯罪者」というような意味だと取れます。

日本語でも「心を奪われる」というように、英語でも心を奪われることを”steal one’s heart(=心を盗む)”と表現し、stealing(盗み)と言えば、完全な犯罪です。

そう考えると、マイケルジャクソンのスムーズクリミナルは全く恋愛の話は登場しませんが、「ハートを奪う」という犯罪を犯したという恋愛ストーリーを、血みどろの犯罪とかけたパロディだと読み解くことも可能です。(実際、スムーズクリミナルの被害者のアニーは、「ベッドルーム」で最後の一撃をくらっています)

BTSの「バター」では、「トラブルのように突然現れて、君の心にスムーズに侵入する」という、恋愛の話と犯罪の話をかけている文脈になっています。

バターや犯罪者のように「スムーズに」というBTSの歌詞には、明らかにマイケルジャクソンのスムーズクリミナルに言及していると言えるでしょう。

マイケルジャクソン「Man In The Mirror」への言及

「Butter」のサビの前に、以下のような歌詞があります。

Oh when I look in the mirror
僕の鏡に映った姿で

I’ll melt your heart into 2
君のハートを二つに溶かしてしまうだろうね

I got that superstar glow so
僕にはスーパースターの輝きがあるから

「鏡を見る」というのは、マイケルジャクソンの「Bad」のアルバムに収録されている大ヒット曲「Man In The Mirror」を連想してもおかしくありません。

マイケルジャクソンは、「Man In The Mirror」で「変化を起こしたいと思ったら、まずは鏡に映った自分を見つめて変えていこう」と言っています。

I'm starting with the man in the mirror
僕は鏡の中の男から始めよう

I'm asking him to change his ways
そして、そいつに行動を変えろって言うんだ

その流れで「鏡を見た」ところ、あまりにもかっこいい自分が映っていたというオチなのかもしれません。

完全に深読みな気がしますが、これだけ「マイケルジャクソン」に言及をしている流れで、「look in the mirror」と出てくると、どうしても気になってしまうマイケルファンです。

マイケルジャクソン「Rock With You」への言及

「Butter」の歌詞で、以下のようなものがあります。

high like the moon rock with me baby
月のようにハイになって 僕と踊ってよ ベイビー

ここでは3点マイケルジャクソンを感じることができます。

一つ目は、moonです。

マイケルジャクソンのトレードマークといえば「ムーンウォーク」ですので、「ムーン」というとマイケルジャクソンの影を感じます。

しかし、これだけでは確信が持てません。

次に、moonの直後に現れるフレーズ「rock with me」ですが、これは「Dynamite」のところで出てきたマイケルジャクソンのアルバム「Off The Wall」に収録されている、全米ナンバーワンの大ヒット曲「Rock With You」連想させます。

「rock」とは「ロッキングチェア」のように「揺らす」という意味がありますが、そこから派生して、「体を揺さぶって踊る」というような意味があり、マイケルジャクソンの曲で有名になった表現です。

さらに、ここの振付でBTSのメンバーは手の甲にキスをするような印象的な動きをします。

この動きは、マイケルジャクソンが「Bad」のミュージックビデオで何度も見せる「手の甲で口を拭う」動作のオマージュとも取れます。

ここの部分でも、マイケルジャクソンの影をちらつかせていると考えていいでしょう。

talk is cheapは、マイケルジャクソンの「Bad」へのオマージュ

先ほどの歌詞のすぐ後に、以下のような歌詞が出てきます。

Let me show you ‘cause talk is cheap
行動で示させてよ 言葉だけじゃ薄っぺらいから

ここで注目したいのは、「talk is cheap」の部分です。

「talk is cheap」の「cheap」は、「価値がない」「お金がかからない」「安っぽい」という意味で、「言葉はお粗末だ」というような意味になります。

かっこいい日本語にすると、「言うのは簡単だ」「口先だけならなんとでも言える」なんて表現もできます。

この歌詞では、「言葉で言うだけじゃ意味がないから、行動でshowさせて」ということを言っています。

実は”talk is cheap”は、マイケルジャクソンの「Bad」に出てくる歌詞でもあります。

マイケルジャクソンの「Bad」の歌詞を見てみましょう。

Your talk is cheap, you're not a man
お前の発言は口先だけだ 本物の男じゃない

You're throwin' stones to hide your hands
石だけ投げておいて 自分の身はちゃっかり守るんだろ

スペイン語の表現で「to throw the stone and hide the hand(=石を投げてその手を隠す)」つまり、「騒ぎだけ起こしておいて知らないふりをする」と言う意味の表現があり、その意味を取り入れてみました。

このように、曲の冒頭でマイケルジャクソンのアルバム「Bad」に収録されている「Smooth Criminal」に言及しながら、曲の至る所で「Bad」の破片を見つけることができます。

「Butter」でのマイケルジャクソンの「Bad」へのオマージュはここにも

「Butter」の2回目のAメロで、次のような歌詞が現れます。

Don’t need no Usher
アッシャーの曲は必要ない

To remind me you got it bad
君が夢中だってことを確かめるのに

なんの助けを借りずとも、簡単にみんなを夢中にさせちゃうっていう強気の発言ですね。

ここではアッシャーが言及されており、アッシャーの大ヒット曲に「You Got It Bad」という曲がありますので、その曲と意味(got it badは、周りが見えなくなるくらい誰かに夢中になる状態を表す)をかけている歌詞です。

アッシャーのみの言及として片付けてもいいのですが、このパートはずっとヴィが歌っていますが、「bad」の部分だけ歌い手がジョングクに変わり、少し特別扱いされているところに注目します。

ここでも、今まで散々「Bad」に言及してきたので、またもや「Bad」をちらつかせて歌詞で遊んでいると捉えることもできるかもしれません。

ちなみに話はそれますが、アッシャーもマイケルジャクソンをリスペクトしていることを公言しており、マイケルジャクソンのライブで共演したり、追悼式でスピーチを行い、パフォーマンスを捧げたりしています。

BTSからマイケルジャクソンの破片を見つけるのって楽しい

BTSの代表曲「Dynamite」「Butter」の2曲から見えるマイケルジャクソンの影響やマイケルジャクソンへのオマージュについて解説してきました。

いぬ
いぬ

無理やりな部分もあるけど、色々と邪推するのって面白い〜

私の完全な主観と偏見に基づいているので、正解だと思わずに、そういう見方もあるんだな〜と楽しんでもらえたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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