マイケルジャクソンの「Beat It」の歌詞を英語で味わう【洋楽で英語学習】

マイケル・ジャクソン
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いぬ
いぬ

楽しく英語学習する方法はないかなあ

ねこ
ねこ

大好きな洋楽の歌詞が英語のテキストだったら、やる気爆上がりだニャー

ということで、今回はみんな大好き(?)マイケルジャクソンの「Beat It」の歌詞の英語を読むとく形で、英語の語彙や文法などを解説していきたいと思います!

日本語訳に頼らず、英語のまま曲を理解したい!という方も、ぜひ一緒に英語の歌詞を味わってみましょう!

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『Beat It』とはどんな曲?

『Beat It』とは、マイケルジャクソンが1982年にリリースした史上最も売れたアルバム『Thriller』に収録されている全米ナンバーワンの大ヒット曲です。

文化評論家のジョセフ・ボーゲル氏はこのように述べています。

「Beat It」はそれ以前に書かれた曲をほぼすべて時代遅れにしてしまった。審美的、人種的な壁を打ち破り、音楽に新しい時代を告げた80年代の「Jonny B. Good」である。そのサウンドは新しく、力に溢れ、時代の先端のさらに先をいく音楽であり、当時の批評家は単純にこの曲をどのように表現していいのかわからなかった。

マイケル・ジャクソン コンプリート・ワークス / ジョセフ・ボーゲル著

この曲はエディ・ヴァンヘイレンの高揚感のあるギターソロに象徴されるように、ハードロックな曲調でありながら、その歌詞の内容はロックに典型的な「タフな男像」や暴力による解決を否定する平和主義的なものとなっています。

いぬ
いぬ

マイケルはこの曲を若いリスナーをターゲットに書いたと言っているよ

ねこ
ねこ

この曲が発表された当時、ギャング同士の抗争や冷戦が激化しており、暴力に強く反対するメッセージがあったんだね

また、ミュージックビデオでは、マイケルがたくさんのギャングを引き連れて群舞を行う有名なシーンがあり、この一連のダンスは以降のたくさんのアーティストのミュージックビデオひな形になっています。

いぬ
いぬ

MVに登場するギャングは本物のギャングを起用しているというから驚きだね

ねこ
ねこ

長引く撮影でみんなイライラし始めて、一触即発の場面があったらしいよ

『Beat It』の歌詞で英語学習!

それでは早速、『Beat It』の歌詞を読み解いていきましょう!

まずは、曲を一回聴いてみることをおすすめします!

『Beat It』の歌詞

(第1節)

They told him, “Don’t you ever come around here”
“Don’t wanna see your face, you better disappear”
The fire’s in their eyes and their words are really clear
So beat it, just beat it

(第2節)

You better run, you better do what you can
Don’t wanna see no blood, don’t be a macho man
You wanna be tough, better do what you can
So beat it, but you wanna be bad

(サビ)

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right
Just beat it (beat it)
Just beat it (beat it)
Just beat it (beat it)
Just beat it (beat it, uh)

(第3節)

They’re out to get you, better leave while you can
Don’t wanna be a boy, you wanna be a man
You wanna stay alive, better do what you can
So beat it, just beat it

(第4節)

You have to show them that you’re really not scared
You’re playin’ with your life, this ain’t no truth or dare
They’ll kick you, then they’ll beat you
Then they’ll tell you it’s fair
So beat it, but you wanna be bad

(以下、サビリピート)

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right
Just beat it (beat it, beat it, beat it)
Beat it (beat it, beat it)

Beat it (beat it, beat it)
Beat it (beat it, beat it)

Beat it (beat it, beat it)

Beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right (who’s right)

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated (no one)
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated (oh, no)
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right

Just beat it (beat it), beat it (beat it)

タイトル『Beat It』の意味

まず、『Beat It』とは、どのような意味なのでしょうか。

“beat it” は、「それを叩け」などという意味ではなく“beat it”というひとまとまりのスラング(口語表現)になります。

“beat it”を辞書で引くと、以下のような意味が現れます。

1 leave

2 go away

つまり、“beat it”は「放っておけ」「どっかに行け」「去れ」「逃げろ」という意味になります。

マイケルは『Beat It』の曲の中で、一貫して「誤った男らしさから『死』を選ぶのではなく、逃げることで『生』を選ぶこと」の大切さ、真の強さを説いているのです。

第1節:全体

まずは、第一節から見ていきましょう。

They told him, “Don’t you ever come around here”
“Don’t wanna see your face, you better disappear”
The fire’s in their eyes and their words are really clear
So beat it, just beat it

They told him, “Don’t you ever come around here”

「They told him〜」で、「彼らは彼に言った」となり、その後に言った内容が続きます。

ここの「They(=彼ら)」はギャングの一味のことであり、「him(=彼)」はこの曲の主人公であり、彼らと敵対するギャングの一員と思われます。

彼らが彼に言った内容が「Don’t you ever come around here, don’t wanna see your face, you better disappear」となっています。

ここのポイントは、

Don‘t you ever〜:「二度と〜しないでくれ

come around here:「ここらにぶらっとやってくる、訪れる

「という意味ですので「二度とこの辺りをうろつくなよ」と忠告しています。

いぬ
いぬ

ギャングの縄張りを主張しているんだね

Don’t wanna see your face, you better disappear

「don’t wanna see your face, you better disappear」は、

文頭に主語の「I」が省略されている

◉ 「wanna」は「want to」の省略形

◉ 「better」は「had better」の省略形

なので完全形に書き直してみると

I don’t want to see your face, you had better disappear

となります。

You had better〜」は、「〜したほうがいいぜ(しなかったらどうなるかわかってるよな』」という脅し要素の入った強い「忠告」を意味する表現になります。

disappearはappear(=現れる)の反対語で「消える」の意味です。

まとめるとここの訳は「あんたの顔なんて見たくないんだ、消えた方が身のためだぜ」的ニュアンスになります。

The fire’s in their eyes and their words are really clear, so beat it, just beat it

The fire’s in their eyes」は「彼らの目に火がある」となり、「目にメラメラと怒りの炎が見えている状態」を表しています。

いぬ
いぬ

戦闘モードだね

their words are really clear」とはどのような意味なのでしょうか。

clearとは「澄み切っている」状態を表し、言葉が澄み切っているとはつまり、「意味に疑問の余地がない」「意味が明らか」「わかりやすい」ということになります。

すなわち、「彼らの言葉はとてもはっきりしている」となります。

彼らは「失せろ」ということを「はっきりと伝えた」ということになります。

だから、「beat it(=逃げろ)」「just beat it(=ただ、逃げろ)」となります。

第1節まとめ

彼らは言った「ここに二度と来るなよ。お前の顔なんか見たくないんだ。消えた方が身のためだぞ」って

敵意剥き出しの目をしているし、彼らの言ってることは本気だ

だから、逃げろ ただその場を去るんだ

第2節:全体

では、次のパートに入ります。

サビに入る直前の歌詞になります。

You better run, you better do what you can
Don’t wanna see no blood, don’t be a macho man
You wanna be tough, better do what you can
So beat it, but you wanna be bad

You better run, you better do what you can

「You better run, you better do what you can」では、またもやYou had betterのhadが省略されています。

Had betterは話すときや書くときによく「‘d better」と省略されるので、口語ではbetterになってしまうことも多いです。

ですので、ここは書き直すと

You’d better run, you’d better do what you can

となります。

「run」は「走る」という意味ですが「(走って)逃げる」という意味もあります。

また、「do what you can」のwhatは、関係代名詞の「the thing which」を表しますので、「あなたのできることをする」になります。

まとめると「逃げた方がいい、できることは(なんでも)やった方がいいぞ」となり、アドバイスしているニュアンスです。

Don’t wanna see no blood, don’t be a macho man

まず「Don’t wanna see no blood」の部分で、notとnoが使われ二重否定になっていますが、ブラック・イングリッシュ(黒人の英語)でよく使われる口語的文法(スラング)で、単なる否定「You don’t want to see any blood」と同じ意味です。

文頭に省略されていると考えられる「You」は「みんな」と言う意味のYouです。

まとめると「(誰も)血を見たくはない」となります。

次の「don’t be a macho man」の「macho man」は日本語でも「マッチョマン」と言いますが、筋肉マッチョマンとは少しニュアンスが違って、男性優位なステレオタイプの「いわゆる男」という意味です。

「Don’t be a macho man」で、「(表面的な意味での)強い男になんてなるな」となります。

You wanna be tough, better do what you can

「You wanna be tough」の前には意味的に「if」が省略されていると考えるとすっきりします。

「もし強くなりたいなら」となります。

「better do what you can」は全て書き出すと「You’d better do what you can」となり、「できることをやったほうがいい」となります。

So beat it, but you wanna be bad

「So beat it, but you wanna be bad」は、「だから、逃げろ でもカッコよくいたいんだろう」となります。

ここは難しいところといえば「bad」くらいでしょうか。

「bad」は「悪い」という意味もありますが、スラングで「かっこいい」という意味もあり、その両方の意味をかけている(悪くてかっこいい)と捉えるといいでしょう。

逃げるんじゃなくて、血を男らしく戦い抜くのが「bad(=かっこいい)」と思っているんだろう、と言っているのです。

第2節:まとめ

ここでは、男としての尊厳や面子を守るために「伝統的な男像を体現すること(戦い抜く)」や「血を見る(誰かが傷つく)」ことを選ぶ必要はない、本当の強さは命を守るために逃げることだ、というメッセージが強く見られます。

できる限りの力で 逃げるんだ

誰も血を見たくなんてない 男らしくなろうとするな

もしタフな男になりたかったら できることをするんだ

だから、逃げろ でもカッコつけたがるんだろ

サビ

いよいよサビです!

いぬ
いぬ

ビレー!ビレー!

マイケルのメッセージが散りばめられていますので、一緒に見ていきましょう!

サビの歌詞の全体は以下の通りです。

Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right
Just beat it (beat it)
Just beat it (beat it)
Just beat it (beat it)
Just beat it (beat it, uh)

Just beat it, beat it, no one wants to be defeated

「Just beat it , beat it」は、タイトルの意味の説明の部分でしたように、「逃げろ」「放っておけ」関わるなという意味になります。

「ただ 逃げろ 逃げろ」と言っています。


「No one wants to be defeated」の部分ですが、

◉ be defeated:「負かされる」「倒される」

となり、「誰も負かされたくはない」となります。

戦いを始めると、どちらの陣営も負けたくない気持ちから戦い抜くということになり、結果的に負傷者が出るということを言っています。

Showin’ how funky and strong is your fight

funkyは訳が難しい単語ですが「ファンキーな音楽」「ファンキーなリズム」というように、「ソウルフルで力強く、かっこいい」というような意味合いになります。

ここでは深く考えずに、

funky ≒ strong

くらいの認識で良いでしょう(ネイティブに聞いても「うーん…あんまり意味はない」という回答でした)。

直訳すると「強さを見せつけることは君の戦いだ」となります。

つまり、「君にとっての戦いとは、強さを見せることだ」となり、「負けたくないから、強さを見せつけあることで戦う」というような意味になります。

It doesn’t matter who’s wrong or right

「It doesn’t matter who’s wrong or right」の “It” は形式主語で、「who’s wrong or right」のことを指します。

誰が正しくて、誰が誤っているかは関係ない」となります。

つまり、そのような見栄の張り合いで行われる「決闘」では、善悪なんて関係なくなってしまう、と言っています。

いぬ
いぬ

「正義は勝つ」「正義のために戦う」なんて思ってても無駄だというわけだね

ねこ
ねこ

暴力で戦うのはどんな理由であれ理不尽であるから関わるなと言っているよ

サビ:まとめ

ただ 逃げるんだ 逃げるんだ

みんな負けたくないと思っている

だから、どれだけ自分が強いかって見せつけようとするんだ

その戦いに善悪は関係ない

だから ただ逃げろ

ただ逃げろ 逃げるんだ

ただ逃げるんだ 逃げろ

第3節:全体

最初の第1節と同じメロディーで違う歌詞が展開される部分です。

ここでもメッセージは一貫して「beat it(=逃げろ)」となっています。

早速見てみましょう。

They’re out to get you, better leave while you can
Don’t wanna be a boy, you wanna be a man
You wanna stay alive, better do what you can
So beat it, just beat it

They’re out to get you, better leave while you can

“They’re out to get you”は、

◉ out to get someone:(人を)傷つけたり、何か問題を起こそうと機械をうかがっている

という意味になります。

“better leave while you can”は“You’d better leave while you can(leave)”となり、「君が逃げられるうちに逃げた方がいいよ」ということになります。

Don’t wanna be a boy, you wanna be a man

Don’t wanna be a boyは、文頭にYouが省略されていると考えた方がスッキリします。

また、ここでは

boy:子供(度胸がなく、弱い男)

man:大人(度胸があって、強い男)

の対比がされています。

普通だと「逃げるのは弱い」「戦い抜くのが強い」と思われがちですが、「beat it」の歌詞では一貫して「逃げる=本物の強さ」「戦い抜く=逃げる勇気のない者の、偽りの強さ」というメッセージがあります。

ここでは「boy(=子供)じゃなくて、真のman(=男)になりたいなら、逃げろ」と言っています。

You wanna stay alive, better do what you can

You wanna stay aliveの前には、意味的にIfが省略されていると考えるとスッキリします。

「もし生き延びたいなら」となります。

better do what you canは、You’d better do what you canとなり、「できることをした方がいい」という意味です。

So beat it, just beat it

こちらは、もうお分かりですね。

「だから、逃げろ ただ逃げろ」となります。

第3節:まとめ

彼らは今にも君を懲らしめようとしている 今のうちに逃げた方がいい

弱々しい子供じゃなくて 強い男になりたいんだろ

生き延びたいなら できる限りのことをするんだ

だから逃げろ ただ逃げろ

第4節:全体

いよいよ最後の歌詞になりました。

ここでは、よりはっきりと「beat it」のメッセージが表れています。

歌詞は以下の通りです。

You have to show them that you’re really not scared
You’re playin’ with your life, this ain’t no truth or dare
They’ll kick you, then they’ll beat you
Then they’ll tell you it’s fair
So beat it, but you wanna be bad

You have to show them that you’re really not scared

「You have to show them that〜」で、「〜ということを彼らに見せつける必要がある」となります。

何を見せつける必要があるかというと、that以下、「you’re really not scared」、「本当に怖がっていないということ」「恐れてなんていないということ」となります。

まとめると、「怖がってなんていないって彼らに見せつけてやれ」のような訳が完成します。

いぬ
いぬ

怖いから逃げるんじゃない、命を守るから逃げるんだと意思表示しようと言っているよ

You’re playin’ with your life, this ain’t no truth or dare

「You’re playin’ with your life」ですが、

◉ play with〜:〜をもてあそぶ、軽く考える」

という意味になります。

君は自分の命をいたずらに危険に晒している」と言っています。

「this ain’t no truth or dare」のain’tは、be動詞+notの意味で、This is not truth or dare、つまり、「この戦いはtruth or dareなんかじゃない」となります。

(ain’tの意味については、こちらの記事に詳しく解説しています)

では、truth or dareが何かというと、「真実か挑戦か」というパーティーゲームの一種で、質問をされた側は真実を言うか、何か挑戦をするかを選ばなければならないというものです。

ここでは、「(決闘は)真実を追求するゲームではない」というような意味合いで使っています。

いぬ
いぬ

暴力による決着のつけ方は、正義や悪、真実や嘘などを明らかにするような場ではなく、ただ無意味に命を危険に晒すだけだぞ、と忠告しているんだね

They’ll kick you, then they’ll beat you then they’ll tell you it’s fair

They’ll kick youは「彼らは君を蹴るだろう」、then they’ll beat you「それから殴るだろう」、Then they’ll tell you it’s fair「そしてこれが正義だと言うだろう」となります。

相手はあなたをボコボコにしておきながら、何かしら正当化してくるだろう、と言っています。

いぬ
いぬ

そんなん嫌だよ〜

So beat it, but you wanna be bad

「だから、逃げろ でもカッコつけたいんだろう」となります。

第4節:まとめ

全く怖がってなんてないって 奴らに見せつけてやるんだ

君は命を軽く見ている これは真実を暴くゲームじゃない

奴らは君を蹴って、殴って、それが正義だって言ってくるだろう

だから、逃げろ でもカッコつけたいんだろう

『beat it』は平和主義的メッセージソングだった

「ビートイット」を翻訳しながら、英語の解説をしてきました。

ロックの曲調から歌詞の内容は見過ごされがちですが、実はとても平和主義的な内容のメッセージソングとなっています。

この曲が発表された当時、ギャングの抗争が激化し、冷戦が激化しているという時代背景があり、その暴力性に対してのアンチテーゼだったのです。

曲の持つ高揚感やビートを楽しむのも最高ですが、英語で歌詞を味わうのもまた楽しみの一つです。

これをきっかけに、洋楽の歌詞の世界やマイケル・ジャクソンに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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